5週にわたってお届けしてきた、展示会メンバーによるリレーブログ。
最終回となる今回は、わたし岩田アキが担当します。
これまでの物語を結ぶように、わたし自身の歩みと、ワイヤージュエリーづくりに込めた想い。そして、仲間とともに迎えるこの展示会「Unité」に託した祈りを、綴らせていただきます。
石とこころ、そして、未来がつながっていく“結びの物語”。
最後まで、ゆっくりと読み進めていただけたら嬉しいです。

| ”わたしには何もない”
ワイヤージュエリーデザイナーズアソシエーションを立ち上げて、今年で9年目。 これまで、のべ2000名以上の方にワイヤージュエリーづくりを体験いただき、このジュエリー制作の魅力と可能性をお伝えしてきました。
でも、以前のわたしは「自分には何もない」と思っていました。 誇れる才能も特技もなく、何かをしたいけれど、何をすればいいのか分からずにいました。
20代に経験した人生を揺るがす大失恋は、こころも身体もボロボロになったわたしを見て、遠方から両親が駆けつけてきたほど。 「こんなにつらい出来事には、きっと何か意味があるんじゃないか…?」 その気づきから、人生の視点が少しずつ変わりはじめました。
| 大切なものを失った先に出逢った「見えない世界」
大失恋の後、突然、原因不明の腰痛に悩まされ、いくつもの整体に通っても改善せず、大学の90分の講義すら座っていられないほどの日々を過ごしていました。
でも、講義中に、突然、ある言葉が頭の中に浮かびました。その言葉から得た深い気づきとともに、スッと痛みが消えたのです。 キツネにつままれたような感覚でした。
その日を境に、二度と痛みに悩まされることがなくなりました。 その瞬間、わたしの中で「この世界には、目に見えることが全てではなく、目に見えない何かが確かに存在している」という確信が芽生えたのです。

| 人生を動かした天然石とワイヤージュエリーの世界
それから、オーラソーマ®︎式カラーセラピー、カバラ、西洋占星術、レイキ、シータヒーリング… 心惹かれるものは何でも学びました。けれど、「これだ!」と思えるものには出会えず、わたしの才能ってなんだろう?わたしができることってどんなことだろう?と迷う日々が続きました。
そんな時、天然石の世界に出逢ったのです。
東京中のクリスタルショップを巡る中で、偶然、立ち寄ったセレクトショップで、天然石が ワイヤーでラッピングされたアクセサリーを見つけました。
その瞬間、「探していたのはこれだ!!」と全身に電流が走りました。 それから、無我夢中でワイヤージュエリーをつくりはじめました。
なぜ、天然石に魅了されたのかといえば、ただ色とりどりに輝く美しさや、地球が生み出した神秘に心奪われたからではありません。
石が放つエネルギーにふれたとき、わたしの中で“何かが確かに変わった”と感じたからです。
それは、これまで気づくことさえなかった、こころの奥の闇に隠していた思い込みや信念に光が差し、ひとつずつほどけていく体験でした。
まるで、固く閉ざされていた扉がひらくように、わたしの人生は想像もしないほど大きく動き出したのです。
そして、この体験をもとに、天然石に関わる仕事をしたいと強く感じるようになりました。
なぜ天然石に魅了されたのかと言えば、目を見張るような色とりどりに輝く石たちがこの地球で生み出された神秘的なものであるということ以上に、天然石の放つエネルギーに触れたときに、はっきりと自分の中の何かが大きく変わっていくのを感じられたことがきっかけでした。
それまでは、気づくことさえなかった、まるで、心の中の暗闇に隠していたような、自分を押さえ込んでいた思い込みや信念に光が差し、それらが解けていく体験から人生が動き出しました。
| 「普通に生きられればいい」
今では考えられませんが…笑
当時は、地元で親の会社を継いでくれるパートナーと結婚して、穏やかに暮らせればそれでいい、と思っていました。
でも、今のわたしは、地元に戻ることもなく、東京でパートナーと愛犬と暮らし、好きな場所を旅しながら、自分もお客様もしあわせにしながら、好きな仲間と愛と誇りを持って仕事をしています。
人生がこんなふうに展開するなんて、あの頃のわたしには想像もできませんでした。



| 「日常からブライダルまで、唯一無二のジュエリー
ワイヤージュエリーの最大の特徴は、磨いた石から原石の結晶まで、多種多様な石を穴を開けることなく、ワイヤーを使ってラッピングすることができる自由度の高さ。
さらに、わずか、直径0.5mmほどのワイヤーは、他にはない繊細さを自由自在に表現することができます。
日常使いの小さなペンダントトップから、ウェディングやパーティー、コンテスト用にも身につけることができる、はなやかで大ぶりのジュエリーまで幅広いデザイン性とオリジナリティーを表現することができます。
その面白さにすっかりハマり、ブログに作品を掲載すると教えてほしいと言う声をいただくようになり、1dayレッスンをはじめました。やがて、本格的にワイヤージュエリーデザイナーとして活動したい方のための認定講座を立ち上げ、その講座が全国に広がり、協会設立へ。気づけば、9年という月日が流れていました。

| 技術を超えて、“わたしを生きる”ための講座
講座をはじめた当初は、技法や知識を伝えることが中心でしたが、ワイヤージュエリーの本質はそこではないと気づきました。 それは、自分自身と向き合い、選び、ジュエリーを形にするプロセスそのものが、人生を変容させるほどのパワフルな力があるということ。
講座では、わたしはよく「○○さんはどうしたいですか?」と尋ねます。質問に対しすぐにわたしが何かを答えるのではなく、受講生さんが自分の中の声に気づいてほしいから。
すると、受講生さんは、いつしか「わたしが決めていいんですよね」と微笑むようになります。 「女性だから」「○○歳だから」「自信がないから」と諦めていた”本当の気持ち”に気づき、 ジュエリーづくりを通して、人生が動き出す人を、何人も見てきました。

| 冬至とクリスマスイブに紡ぐ“結び”の物語
2025年冬。
初めて、卒業生でオンラインサロン「メゾンルミエール・エクラ」のメンバーと共に、展示会を開催することになりました。オンラインサロンを立ち上げたのは、今年の5月のこと。
集まってくれたメンバーで、何をやりたいのかを何度も打ち合わせを重ねました。
その中で「実物のジュエリーを見てもらいたい」という声が飛び交いました。
理由は、メンバー自らの体験にありました。SNSやインターネットでしか見たことがなかったワイヤージュエリーを、初めて実物を見て手に取ったときの忘れられない感動でした。
石の輝きはもちろん、繊細なデザイン、そして、そこから放たれるエネルギーは、決して、画像や動画だけでは決して伝え切ることができません。だからこそ、実際の眼で見て、手に取ったときに、そこには言葉を超えた心を震わすものがある。だからこそ、一人でも多くの方に届けていきたい。それが、みんなのハートから溢れる想いでした。
| それぞれの人生が宿るジュエリーが、ひとつの空間に
出展メンバーは、東京・埼玉・松本と拠点もライフスタイルもさまざま。
仕事や子育てと両立しながら、それぞれの想いで作品を生み出しています。
使う石も、デザインも、エネルギーもすべて異なる、6名のジュエリーたち。 個性豊かな作品が一堂に並ぶ空間を想像するだけで、胸が高鳴ります。
会場は、わたしがコロナ禍で個展開催を断念した思い出の場所。 あのとき、叶わなかった想いを、仲間と共に実現できる特別な展示会。
開催期間は、冬至とクリスマスイブを含む特別な6日間。
石と人、想いと想い、“わたし”と未来が、出会い、結ばれていく。
この展示会が、そんな“結び”の場になることを、心から願っています。
| 自分を信じる力と希望を思い出す記念日に
石と向き合い、デザインを描き、ひとつひとつ、すべて手で形づくるジュエリーたち。
会場で出逢うすべてのジュエリーは、世界にひとつだけ。
あなたに届けるために生まれたもの。
そして、展示会が終わった一週間後には、2026年という新しい年がやってきます。
どうかこの場所が、“未来のあなた”と出逢い、“自分を信じる力”を思い出す記念日となりますように。
心を込めて、会場でお迎えいたします。

展示会のご案内
Unité ― ヒカリと祈りのはじまり
2025年12月19日(金)~24日(水)
Open 11:00 / Close 18:00(最終日は17:00まで)
会場: ペリーハウスギャラリー(表参道駅より徒歩7分)
詳細はプロフィール欄のURL、または公式HPよりご確認ください。
https://wjda.info/clp/5605/
すべて一点ものの作品のため、売り切れ次第終了となります。
“出逢い”をお楽しみに、お早めのご来場をおすすめいたします。

岩田 アキ
Iwata Aki
ワイヤージュエリーデザイナー/ワイヤージュエリーデザイナーズアソシエーション代表
天然石の魅力と可能性に魅了され、ワイヤージュエリーを学びはじめて15年以上。2017年に協会を設立し、9年連続で認定講座を開講。これまでにのべ2000名以上が体験し、多くの卒業生が自身のジュエリーブランドを立ち上げている。
「石と人の想いを結び、世界にひとつだけの光を形にする」ことを信条に、作品づくりや講座を展開。
展示会・リトリート・オンラインサロンを通じて、“わたしらしさ”を輝かせる生き方をサポートしている。
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